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川中不動(大分 豊後高田)・無動寺・無明橋

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川中不動尊とは

川中不動(川中不動三尊)は、文字通り、川の中にある石仏です。川に面した大岩に不動明王と2体の童子が彫られています。

川中不動尊の場所と行き方

大内岩屋観音堂の散策を終えて、川中不動尊へ。

大内岩屋観音堂と川中不動は、山を隔てて東西の位置関係で、距離はそれほど離れていません。車で20分弱で駐車場に到着し、川沿いに造られた遊歩道を歩いていきます。

先ほどの大内岩屋観音堂とは異なり、観光地として整備が行き届いている様子でした。ただ、相変わらず人に会いません。

川中不動三尊 遊歩道
駐車場から続く遊歩道を進む。

川中不動と天念寺

駐車場から5分ほど歩いたところに、川中不動があります。確かに、話に聞いていたとおりの見事な不動明王です。

川中不動三尊 全体
文字通り川の中にある川中不動。

中央に彫られているのが、不動明王。左側が制多迦童子、右側が矜羯羅童子という不動明王の従者になります。

川中不動三尊
水害除けの願いを込めて造られたとされる。

何故こんな所に石仏を造ったのかという話ですが、昔は水害が多かった地域のようで、水害が無いようにという願いが込められているようです。

川の中央の小島に石造りの小橋が架けられており、自由に拝観することができます。川面は穏やかで、不動明王の姿が綺麗に水面に映っていました。

川中不動尊 不動明王
中央が不動明王で両脇の2体が童子である。

川中不動は、天念寺のすぐ目の前にあり、川中不動も含めた一帯が、山入りの修行の場だったようです。天念寺は、養老2年(718年)に開基されたとのこと。

なお、天念寺では、修正鬼会(しゅじょうおにえ)と呼ばれる火祭りが毎年行われていて、近くには「鬼会の里資料館」があります。

鬼会の里資料館
川中不動のそばにある「鬼会の里資料館」。

ここでもう一つ注目すべきは、断崖絶壁の頂上に造られた「無明橋」。「鬼会の里資料館」の駐車場から山の方を眺めると、遙か山の上に、手すりのないアーチ橋が架かっていることに気付きます。あれが「無明橋」です。

天念寺 無明橋
断崖絶壁の頂上に掛けられた「無明橋」。

天念寺の修行施設の一つで、橋を渡った先には祠があるそうです。部外者でも自由に通れるらしいのですが、鎖を伝って岩山を登らねばならず、決して楽な道のりではないとのこと。

よくあんな場所に橋を造ったなあと感心しますね。

天念寺 石仏
岩壁に彫られた石仏。

無動寺

無動寺は、川中不動・天念寺から、「無明橋」のある絶壁の山を隔てた反対側にある寺院です。川中不動から直線距離は近いのですが、山を大きく迂回する必要があり、車でも25分ほど掛かりました。

黒土不動尊 無動寺
天台宗の修行の場として多くの僧が集った「無動寺」。

天念寺と同様、無動寺も、六郷満山の修行の場として開基されました。堂内には、薬師如来や不動明王の木彫仏が保管されていて、県の有形文化財となっています。

無動寺 石仏
本堂の裏手に並ぶ石仏。

また、建物の裏に回ると、十六羅漢と十人の弟子の石像が並んでいます。よく見ると、いろいろな表情をしています。これだけの数の石像が並んでいると、やっぱりちょっと怖いです。

十六羅漢 十人の弟子
十六羅漢と十人の弟子。
無動寺 十六羅漢
十六羅漢の石仏。

国東半島は、火山の噴火によって生じた地形のため、石仏の材料となる安山岩や凝灰岩が豊富に産出されるそうです。半島内どこに行っても石仏だらけなのは、石材に恵まれている地域の特色も関係しているかもしれません。

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探索日
2013/01/02 - 04
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